bike and walk TOKYO

東京都近郊を相棒のBRIDGESTONEの電動アシスト自転車でサイクリング。訪れた場所を散策します。

マティス大回顧展@上野 2023.0820

2023年夏、最終日にマティス展に行ってきました。

最終日なので、激混みかと思いましたが、素晴らしい入場規制のおかげで 混雑せずに入ることができました。30人ぐらいずつ、入場の時間を区切っていたので、ノーストレス。

 

中に入るとそれなりに混んでましたが、とっても楽しかったです。

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マティス大先生の作品にもかかわらず、ほとんどの展示が写真撮影オッケーでした!

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オッケーなフロアとNGのフロアがくっきり分かれていましたが、撮影NGフロアで間違えそうになる人もちらほら。

 

撮影オッケーの標識がさりげないので、撮影してもいいフロアなのかわからず、ドキドキしました。でも日本人特有の空気を読む力で、各々が周りのひとが撮影してるか様子を見ながら撮影してました。

なぜか盗撮するようにさっと撮ってポケットにスマホをしまうスタイルの人が多かったです。気持ちはわかる。
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マティスの人生をたどる展覧会なので、相当な数の作品でした。すべてがカラフルで素晴らしいので、思わず全部写真を撮りたくなりました。

 

会場はパシャパシャとスマートフォンの撮影音で響き渡っていました。80歳くらいの女性もかなりの至近距離で撮影していてハラハラしてましたが、監視員はなぜかスルー。 世の中、透明人間みたいに何をしても目立たない人がいるのかな。

それなのに50歳くらいの男性がちょっと絵に近づいただけで注意を受けていました。監視員は学芸員ではなく、きっとアルバイトの方だから、あんまり基準がないのかも。

 

わたしも撮影していましたが、一体何のために撮影してんだろうかと我に返って、全部撮るのはやめました。 横尾忠則大先生がたびたびおっしゃってるように、作品は体で感じるものであって考えるものじゃないとの事なので、雰囲気だけ察することにしました。

 

ですが事前に、山田五郎さんのYouTubeチャンネルや学芸員の方の動画を見て、マティスの人生を予習していたので、 絵を見るときに、複数の視点が加わって楽しかったです。こういう経験は初めてだったので、事前に予習することもあり、なんじゃないかなと思いました。

 

会場に来ている人は、マティスの人生の略歴が書いてあるパネルの前に長蛇の列を作っていました。私はすでに予習していたので、パネルの前ははすっ飛ばしました。パネルを作った人は甲斐がありましたね。

 

小学1年生くらいの女の子がお父さんと絵を見に来てました。 女の子とお父さんは、作品をほとんど見てなかった。かわりに 会場のお客さんたちが、作品をスマホで撮影していることを揶揄(やゆ:からかうこと)するように、「パシャパシャ」と笑いながら繰り返し言っていて、ちょっとうっとおしかったです。

デジタルネイティブよりもさらにネイティブな世代なはずのに、美術展で撮影することを馬鹿にした態度をしてるのは意外でした。これからの世代はどんどん美術展で撮影オッケーになっていくし、現時点でもそういう展覧会が多い。だから小学生時代は作品を撮影するのは当たり前だと捉えているはずなのに、意外にも昭和世代の思考回路をもつ子供もいるのは驚きだった。たぶん親の考え方が子供に移行しているのだろうな。だってお父さんも一緒になって「パシャパシャ」と2人で言い続けていたからだ。スマホのシャッター音以上にその親子のからかい音が響いていたので、その場を離れることにしました。学校や会社ではないから、同調圧力や雑音からすぐに退散できるのは嬉しい。

 

美術展が終わると、マティスのグッズがめっちゃありました。レジがたくさん儲けてあったので、たいした行列に並ぶこともなく、スムーズでした。人の導線や混雑のことを考えた会場の作りが本当に素晴らしい展覧会でした。

 

マティスのサイン入りのマグカップが売っていて、あんまり可愛くないデザインだったので買いませんでした。 人気の絵柄のマグカップだったらもっと売れたんじゃないかな。著作権の問題でもあったんでしょうか。

 

そういえば、売店のおじさんが誰に語るわけでもなく、空間全体に向けてずっと喋り続けていて、みんなスルーしてました。何もしゃべらなければ商品がもっと売れるのに残念でした。あんなに自分の気持ちを吐露し続けられたら、怖くて近づけない。

おじさんが開催したわけでもないのに、マティス展に来た人たちにお礼を言っていました。「みんな好きな人とこの展覧会に来て、今日は楽しかったねって。混んでたねって。振り返ったときにお土産を見て欲しい」とか言ってました。そのわりに販売促進に逆走した行動をやっていると思った。

 

マティスは生涯を通して女性にモテモテでした。晩年に奥さんと離婚した後も、ものすごく若い愛人と一緒に暮らして、最後も看取ってもらったそうです。おじいさんになったマティスの外見は可愛らしかった。頭のなかはぜんぜんおじいちゃんじゃなくて、現役ばりばりの男性だったと思うから、他界まで女性に困らなかったんだと思うけど。

 

おじいさんマティスの写真でお気に入りがある。教会の壁画を描くとき、椅子に座りながらほうきみたいにものすごく長い筆で、遠くの絵をペタペタ書いていて可愛かった。歳をとって体が自由に動かなくなっても、自分の体に合わせたスタイルで絵を描くは頭がいいと思った。そうですよね、わざわざ歩き回らなくても椅子に座りながら長い絵筆を使えば何の問題もない。いつの時代も頭が良い人は物に使われるのではなく、 便利に使えるように工夫していることにほっこりしました。

いや愛人の知恵かもしれない。 最終的にFを持つ気力がなくなった。マティスのために、愛人は切り絵を提案して、モチーフを切って作っておいてくれていたと言う。めっちゃ愛されてるマティス。いつの時代も影で支えていた女性が表名前が出てこないが、実は頭が良くて マメに働いてくれている。愛人のまま終わったから、遺産は入ってこなかったのかもしれない。尽くしたのに何かかわいそう。 お金ではなく愛のために尽くしていたのかもしれないけれど、マティスが死んだ後はただの女性であって、どうやって収入を得たのだろうか。そこまで考えてくれしたのかなあ。おじいちゃんは。

 

 

現在上野でモネ展が開催しています。超有名画家の展覧会は見ごたえがあるので、やっぱり行こうかなって思いました。

それではありがとうございました。